正しいなんてあやふやを信仰する愚か

ひとりで生きるための懺悔。大人になる虚しさ。

「愛色のインクで、ことりをかきました。」

「愛色のインクで、僕はことりをかきました。」

イレギュラーなコガネムシとの朝食は
喪われた夢の続きを
永遠に隠したといわれています。

多くの麗らかな目をした少年の
かようにも逃げることが不可能な場合
きっと いたみを伴う
悔いた熱情

「結構、結構」

小刻みに震えるスネと
殺風景な舞台の上を
支配人が歩いてみます。

すきだからと付きまとうことは
正解ではなくまた
そのようにすることが不正解ともいえない。


タンスから取り出した先生は
ちっと薄汚れているようなカンジで
ツートーンは信用できないカモメが
適当に油をぬった。

とうとうハツカネズミはガマンできなくなって
何十とも何百ともいえる
西の家の突き出た窓辺のあたりから
脱ぎだしたさなぎのためのワルツを
「寝静まる多くのネコたち」

伸びきったオレンジの木と
発芽した最初の爪は
ひとりで面倒をみなければならない。

ふたりと人がいるとそのミルクは
平方光の川の中に
放物線をえがく。


マングースは聞いたろうか?
密集したザクロの実たちのうつろいが
無実の罪に問われたとき
面目の上をその骨たちが三人がかりで這いまわった。

申し開きの暖炉の上で
有線のありなしが議題に上る。

「よくもまあ、姿を見せましたね」と
ラングドシャをほおばるねこが
リネンのテーブルクロスで口をふいた。


留守にしてきた胃の中の
冷酷無比なまでのろうそくが
「論外だね」と笑っている。

「私は愛色のインクで、ことりをかきました。」





五十音アプローチを文章でやってみるのも面白いなあと思っていたら、楽しくて夜通し考えてしまいました。