正しいなんてあやふやを信仰する愚か

ひとりで生きるための懺悔。大人になる虚しさ。

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

枕元のテディベアと透明な指先

鋭い風が呼び起こす 乾いた葉の舞踏 街なかの喧騒に顔上げたら 顔無しの群勢脇の下引き上げられ 軒の下宙ぶらり 窓に映る僕は 顔無しのパペット僕は言った 「君じゃ星になれない」 君はただ 西日の窓辺に腰掛けて 湿った風に透かされて 君は黙って、まだ 見え…

カノン

知るはずもない神話の時代 赤と青が交わって 無計画の上うまれた紫 私たちはカノンと呼んだ8月の林檎 潮風走るオレンジの青少年 煤色をした家鴨(あひる) 愛なんか宝箱に隠して 忘れてしまったこどもたち 神様は、どうして与えてしまったのか幾千万にも及ぶ星…

カラッポ 秋

「暗い」空気に包まれるのが心地よかった。 夜や早朝、雨の日なんかはもう、半袖でいるには肌寒さを感じる9月も、もう終わりそうな時期に来た台風。バラバラと音を立てる青色の屋根や、ブロンズ色の窓枠に囲まれたガラス窓が雨音の演奏を手伝っていた。 それ以…