正しいなんてあやふやを信仰する愚か

ひとりで生きるための懺悔。大人になる虚しさ。

2023-01-01から1年間の記事一覧

溺夏

あついスープの中、溺れるちいさい猫のなき声みたいな 呼吸沈む神様の様相でいて溺れていた溺愛と 初めに云った人の感性がすき不気味な風 不気味な風 不気味な風がいつも霧に満ちた森の暗い淵に立たせるちいさな足音でくるくる回る回し車が胸の中『溺夏』202…

じゃじゃば

『 いつもの調子でぼくは平気でたまごの殻の薄皮のそれくらいの堤防でいつも何かは決壊し得る無意識下のイタズラでいつも何かは決壊し得る 少し覚めて、少し冷静になって少し俯瞰してみて、俯瞰して観てあの壊れそうなぼくを決して忘れないで敏感さは鈍感に…

今日のぼそぼそ

寒くておなかがすいて寂しい昼間の朝の僕は最悪な気持ちだ いくつかわかったことがあって、寒さとおかしな睡眠は僕を不安定にするついでに空腹までそろうと、泣きだしそうになるわかっているから最悪の最悪になる 言い訳できない年頃の悪行根っからのクズの…

チュリーシー

ボクになってよ チュリーシーチュリーシーひるねをやめないでさかなの骨をすてないでクッキーなんていわないでよこんなにつめたい朝におきて飴色のなかでお茶をいれようってあったかい毛布がボクを呑み込んできみの声が届かないよ......ボクになってよチュリ…

九月の夜は

たとえば、加法混色した光のテープをそこかしこに貼り付け、それもこちらにまで配り散らし、目も当てられないほど強靭な白は空の青を脅かして、その侵食は地上にまでも及ぶ。全体と比べれば、大して面積を占めてもいないような白はしかし、着実に今、光と熱…

二月の夜の雨

人々はねむる、暗いとき、暗い部屋で、目を閉じて暗闇のなか彷徨う。自分というものを石でできた浅い器のなかで薄布のように梳かして人々はねむる 円形の温水の滴りの中で僕は目をつむる眠るように、ただ闇の中で水音みずおとを追いかけたなだらかに落ちてゆ…