正しいなんてあやふやを信仰する愚か

ひとりで生きるための懺悔。大人になる虚しさ。

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

停滞展翅

停滞前線私の部屋に居座るまま 秒針は8を指そうとして進まぬまま それでも額の向こうは変わっていく 私は変化を求められていく 流れる前の宙の塵 蛹の中のアゲハチョウ 焼き上げる前のマドレーヌ そんな名前の天使たち その日は暗幕の夜 彼らはぬるい水の中…

20210921

月の虹彩 誰かを呼ぶ輪 雲は透け、魅惑 反射 しんとした濃紺世界 白い羽が 舞う 月は ほほえむ 冷めた頬 やわらげて いつでも 見守っている 忘れないで みえない頬が 似合わない雫で冷える 風に舞う 夢色の雲 幾重にも 空を造る 翳りのドレス 濃紺に冴える空…

青色の約束

土砂降りの中そっと交わした 青色の約束 君は知らない 僕だけの約束 何も知らない幸せ色の なずなのような声だけが聞こえている きっとどうなるか この賭けは無効 そっとどこかで ずっとどこかで 僕はもう 諦めている 本当は許されないんだ 僕は許されちゃい…

雨の降ったあとの草原みたいな

まるで道化みたいな 笑い声が存在証明だった こどもの話 ランドセルしょって 踏み出した世界 無慈悲で 残虐な世界 はじめての悪意はその後 後を絶たず どうやら少し醜いこども どうやら少し劣ったこども 多数決に乗れないこどもは ゴミ箱みたいに 悪意のはき…

泡沫の貴方

背中のやわいソファ 揺れはほぼ規則的に 揺れは私を機械的に 白けた窓の雨は枯れ 白いはなの群生が 白い列車をとり囲む 白く霞んだ向こう ここがどこかも いまがいつかも わからない もう何年も鳴らない電話 きっともう鳴らない電話 だけど貴方は残酷だから …

真っ白な紙を怖いと思ったのはいつからだろう ペンを取るのが怖いと思ったのは? またガレキの山を前にしたような 真っ白な夢をみるような 逃げるのは悪いことだと誰かが言って だけどその理由を誰かは語らないまま 口先の悪の理由を 大抵誰かは語れない 正…