正しいなんてあやふやを信仰する愚か

ひとりで生きるための懺悔。大人になる虚しさ。

枕元のテディベアと透明な指先

鋭い風が呼び起こす
乾いた葉の舞踏
街なかの喧騒に顔上げたら
顔無しの群勢

脇の下引き上げられ
軒の下宙ぶらり
窓に映る僕は
顔無しのパペット

僕は言った
「君じゃ星になれない」
君はただ
西日の窓辺に腰掛けて
湿った風に透かされて
君は黙って、まだ
見えぬ星見上げていた

星になじってほしかった
「お前じゃ星になれない」と
僕を折ってほしかった
「お前じゃ星は無理だよ」と
「お前は何にもなれないよ」
「お前は誰にもなれないよ」
僕を折ってほしくって
まるで感情移入して
同じ石屑の分際で

棺桶の中飛び起きる
ぬれた地の感覚
冷たい青白に顔上げたら
蟹笑う満月

額の汗拭い上げ
二の腕を滑る甘い水
窓に映る僕は、
僕は、だぁれ?

君は言った
「君はそれじゃ折れない」
僕はただ
まだ青い朝日に照らされて
湿った風に透かされて
「それじゃなきゃ、上手く
諦められないのに」

誰かに見つけてほしかった
「こんなところにいたのか」と
名前を教えてほしかった
「貴方によく似合っている」と
「貴方のすきな茶葉にしよう」
「貴方は私のたからもの」
僕を見つけてほしくって
僕を教えてほしくって
同じ石屑でいいのに
それで星にだってなれるのに