正しいなんてあやふやを信仰する愚か

ひとりで生きるための懺悔。大人になる虚しさ。

春の夜の魔力

空にぽっかりぽっくりまあるい月が
ひとのせいかつのシャンプーのにおい
ぽかんとかかぽんとかいう桶のおと
シャワーの水が肉体や床に砕け散る
うざったらしくない青い夜の花のにおい
それらを眠そうにみていた。

はる、殺人事件の夜に
誰かが消える
はる、呼吸困難の夜に
誰かが見える
そんな思惑が蔓延る、夜

西に捧ぐ春の夢が机の上に散り積もり
昨年から続く埃の上に散り積もり
あたたかな夜の雨は花を濡らす
よく燃える鼓動の弦月
最後を想像しよく燃える私は
最後にだけ理を成すことができるのでしょう。





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