正しいなんてあやふやを信仰する愚か

ひとりで生きるための懺悔。大人になる虚しさ。

目が覚めたら、ケーキが食べたいな

熱い湯に浸かるのと
熱い湯を浴びるのとでは 違って
浴びるのは 雨の日に冷えた体を
雪の日に冷えた体を
シンからゾクゾクと
温めなおすのを感じる
寒い日に用を足すのに似た
ゾクゾクを感じる
それとともに 私を抱く湯に 安心している

波に浮遊する点は
ユラユラと考えていた
この先のことを薄ボンヤリと 考えていた
先日の通院の帰り道
半永久的に通うのだろうかと ...
もしそうであるのなら、あの先生
との未来を、想像
しようとした、
しようとした。
できなかった

熱い湯のベールが架かる
熱い湯の輪が次々とガーゼの髪をすべる
この無力感の原因を仮定した
無意識は知っていて指を動かした
それかもしれないね、
先生の声が 反響した
熱い湯の中で心地良さを感じながら
同時に無を感じていた
まっさらに「× × × ×」と思った

A型から見るB型は未知だ
小道に入り込む野良猫にも
小道の先にある電信柱にも
小道の横の家に住む
天才にも見えるのだ
とりわけ中学生のころには
そのように見えた

ゆうべ、ケーキが食べたいと思った
目が覚めたとき、ケーキがあればいいと思った
今日、母がケーキを買ってきた
母の買ってきたケーキを食べて
酷く満足した
酷く酷く満足した
たしかに上等なケーキであった ...
これはある種の比喩でもあった
今の私の比喩であった