正しいなんてあやふやを信仰する愚か

ひとりで生きるための懺悔。大人になる虚しさ。

20211011

ナイフを突き立てるのは 痛くて、それは怖くて

死ぬことに 少し似ている。

ナイフを突き立てたのは きっと

生きてる痛みと同様の それよりも ちいさな痛み。

持っていることが痛いなら みずから

手放すのは 時間の問題だった、

これがひとつの見解だった。

 

夏の虫が 赤い斑点をつけて

こどもたちは ばつで上書きする。

こけて擦り剝けた ひざの痛みは

太ももをつねって ごまかす。

これはきっと そういう種類の痛み

耳を切り落とし 自分を責めて痛めつけ

手首を切ることで 僕らはきっと 生きようとする。

 

 

明確に 諦めてきたことがある。

僕らは水中で喋る 記憶は白昼夢 幸せは独りよがり

交わした小指なんて この世にはなかった。

他人の思考は繁華街 眩暈をもたらす不協和音

閑静な街の 静かな公園の ひとりぼっちの公園で

僕は透明になって 黒い文字を吐き出している。

僕しかいない 悲しい世界が

火照った肌に溶ける青みたいに 気持ちいい。

 

すべり台の階段で微睡む猫を見た。

誰に決めつけられることもなく 今日も公園で寝そべる。

ただ空を眺め 風を感じながら 眼をとじる。

きっと僕の知らない悩みがある。

それでも僕は そうやって 来世は許されて生きて

死にたいと思う。

 

 

僕に居場所はなくて、僕は今も どこにも行けない。

自由なんて あるのだろうか。

そういった名前の まぼろしなんじゃないか。

いつまでも現実逃避して

  いつまでも思考停止して

    いつまでもまぼろしのままを追っている。

ただ存在することが かぶりを振るほど嫌なのは 僕が弱いから。

現実から逃げ出さなきゃ 僕は僕で居られない。

マリアにさえ肯定されない僕は 何も持たない僕は

ただ存在することさえ 許されていない。

僕の存在に 僕は自信が無い。 僕が 僕を許さない。

 

逃げたければ逃げ 間違いは正すことができる。

何が間違いかなんてのは 僕が決める。 

居場所がないのは悲しいけれど 僕は本当は

どこへでも行けるはずだ。 なのに

僕は 僕が全て決められるのに

僕は 僕の責任から逃げている。